続 あさま山荘1972

まだ、この本が読まれていることに驚く、あの浅間山荘の銃撃戦後、１２名のリンチ事件が明らかになり、高揚した全共闘運動は、一気に終焉し、シンパシーをもっていた学生も次々と下りて行った。坂口は、重信ら日本赤軍の奪還作戦に参加しなかった。この本に書いている通り、暴力闘争から足を洗ったのだから、１％の死刑から逃れられるチャンスを捨て、筋を通したのだろう。そう本人は書いていたが、やはり赤軍と京安は党派が違うだろうし、連合の失敗を自己批判している坂口には到底、重信に助けてもらう筋合いはない。あるいは、坂東が逃亡するだろうから、執行が坂東を逮捕するまでないことを読んでの行動なのかもしれない。そんなことを本人の渾身の手記を読みながら、坂口の冷静さに感心しながら読ませてもらった。永田洋子が重病と聞く、坂口弘には、もう一度執筆してもらいたい。