ミサの前に読む聖人伝

キリスト教の「聖人」について知りたくて、いくつかの本を漁った。その中で、自分の生きる上で参考になったのはこの本である。聖人はネッシーやUFOではない。客観的に、興味を喚起するような態度で叙述されても心には何も入ってこない。この本は、カトリックの司祭の書いたものであり、著者の畏敬の念が、著者の人生に照らし合わされて伝わってくる。なお、著者の記述には、カトリック教徒でない人には反発を覚えるような部分があるが、敵意から著者がそうしているのでないことは明らかだ。「広く浅い」聖人伝としては第１級のものだと思う。